マーシャル諸島がいま抱える環境問題
マーシャル諸島ではここ数年の間で世界の縮図ともいえる様々な環境問題による被害が起き始めています。
① 地球温暖化による海面上昇~島が沈む危機?!~
マーシャル諸島の海抜は平均2メートルととても低く、海面上昇または浸食の影響により世界で最も早く島が沈むといわれる国のひとつです。また、マーシャル諸島の温室効果ガス排出量比率は世界全体の0.004%にも満たないのです。世界の中でCO2を最も出していない地域のひとつが、世界で一番早く沈もうとしています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告では、海面が1メートル上昇すれば、マジュロ環礁の80%が失われると言われています。

満潮時には海面ギリギリまで波が押し寄せる
② ごみ処理問題
日本人の常識からいえば、ごみをポイ捨てするのはご法度です。これはあたり前のことですよね?しかし、もしそういったことを教えてもらえなかったらどうなると思いますか?
自然と共に生きてきたマーシャルの伝統文化の中では、元来は自然界に還らない物質(ゴミ)は存在しませんでした。一方でマーシャル諸島では急速に進む商品経済化により、島内でのゴミ処理ができず問題になっています。焼却処理施設を持たないマーシャル諸島では生活によって排出されるゴミは埋め立てにより処理するしかなく、沿岸線のサンゴ礁や海洋生物などの生態系への影響が懸念されています。

ごみがいまにも海に流れ出そうとしている
③ 核の歴史から学ぶ 世界平和
1946年から、アメリカにより計67回にも及ぶ原水爆実験がマーシャル諸島北部の島々で行われました。特に1954年ビキニ環礁で行なわれた「ブラボー実験」は核社会の歴史でも語り継がれ、使用された水爆のひとつは広島、長崎に投下された原爆の1000倍以上の破壊力とも言われています。今日までもその保障問題が続いており、その経緯からマーシャル諸島こそが世界の非核化に向けて、平和の尊さを訴えていく役割を担っています。
アメリカによる水爆実験跡ビキニ環礁
④ 自立できない独立国
魚を獲り、島の果物を食べて暮らしていたマーシャル諸島の人々。経済中心で動く世界で生きるにはあまりにも厳しい状況です。マーシャル諸島はアメリカとの自由連合協定に基づき、国防や安全保障の権限を委任しており、政府歳入の約6割を協定に基づく財政援助で賄われています。今後は、島独自の伝統文化を大切に継承しながら、経済的自立を目指しています。
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